編曲作品一部ご紹介
ヴァイス:カプリッチョ
本作品はシルヴィウス・レオポルト・ヴァイス(Sylvius Leopold Weiss, 1687- 1750年)のリュート作品〈カプリッチョ〉を鍵盤用に編曲したものです。原曲はニ長調ですが、鍵盤の適正音域であるイ長調に移調しました。そのほか、鍵盤で十分に弾き応えがあるように、対旋律を加えるなど、演奏効果を高めています。また、バロック時代の様式を尊重し、オリジナルの鍵盤作品であるかのように編曲することを心掛けました。
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ヴァイス:パッサカリア
本作品はシルヴィウス・レオポルト・ヴァイス(Sylvius Leopold Weiss, 1687- 1750年)のリュート作品〈パッサカリア〉を鍵盤用に編曲したものです。鍵盤で十分に弾き応えがあるように、対旋律を加えるなど、演奏効果を高めています。また、バロック時代の様式を尊重し、オリジナルの鍵盤作品であるかのように編曲することを心掛けました。
ヴァイス:ロジー伯爵に捧ぐるトンボー
本作品はシルヴィウス・レオポルト・ヴァイス(Sylvius Leopold Weiss, 1687- 1750年)のリュート作品〈ロジー伯爵の墓(トンボー)〉を鍵盤用に編曲したものです。鍵盤で十分に弾き応えがあるように、対旋律を加えるなど、演奏効果を高めています。また、バロック時代の様式を尊重し、オリジナルの鍵盤作品であるかのように編曲することを心掛けました。
F.クープラン:神秘のバリケード
本作品はフランソワの代表作であり、今日でも頻繁に演奏されていますが、“Les Barricades mistérieuses”というタイトルの由来ははっきりしていません。日本語でも「神秘のバリケード」の他、「神秘の障壁」「神秘の防壁」など様々な訳があり、表題が何を意味するのかまさに神秘のヴェールに包まれています。シンプルな和声の組み立てながら、効果的な係留音の使用によって、常に「焦らされた」状態にあり、それはまるで巧みな恋の駆け引きのようであり、それでいて気品溢れる女性の気高さを感じます。原曲は、クラヴサン(チェンバロ)で演奏される変ロ長調ですが、ピアノでこの調性で演奏すると低音の重たさが目立ってしまい、優雅さを表現することが困難だったため、変ホ長調で演奏しました。思い切った決断でしたが、その結果この曲の魅力をピアノで最大限に引き出すことができたと思っています。
※楽譜に施している装飾音はオリジナルの記号とは異なっているので、オリジナルの装飾音については原典を当たってください。
ヴァイス:ファンタジー
本作品はシルヴィウス・レオポルト・ヴァイス(Sylvius Leopold Weiss, 1687- 1750年)のリュート作品〈ファンタジー〉を鍵盤用に編曲したものです。鍵盤で十分に弾き応えがあるように、対旋律を加えるなど、演奏効果を高めています。また、バロック時代の様式を尊重し、オリジナルの鍵盤作品であるかのように編曲することを心掛けました。
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J.S.バッハ:フーガ(BWV1005より)
本作品はヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach,1685-1750)の《無伴奏ヴァイオリンのためのソナタBWV1005》のフーガを鍵盤用に編曲したものです。編曲に当たっては、原曲のハ長調からト長調に移調したほか、原曲の声部進行は可能な限り尊重しつつ、新たに対旋律を加えました。あたかもバッハのオリジナルの鍵盤作品であるかのうな自然な編曲を目指しました。
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バルバトル:ラ・モリッソウ
原曲はイ長調ですが、ピアノの適正音域であるホ長調に移調して演奏しています。フランスバロックの最後の栄華と雅をピアノで堪能することができます。
この曲からは、高貴さ、優雅さ、潔さ、そして時に遊び心など、まるで当時の貴族が蘇ったかのようにありありとその姿を感じます。
クロード=ベニーニュ・バルバトル(Claude-Bénigne Balbastre 1729-1799)
バルバトルはラモーの後、ヴェルサイユで最も権勢を誇った作曲家。1755年に コンセール・スピリチュエルでデビュー。さらに1760年にノートルダム大聖堂のオルガニストに就任。1776年にはルイ16世の弟プロヴァンス伯(後のルイ18世)付きのオルガニストに指名され、マリー・アントワネットにもクラヴサンの指導を行う。しかし、1789年のフランス革命による王家の没落と共にその地位を失い、晩年は〈ラ・マルセイエーズ〉などの革命歌を編曲しつつ貧困のうちに没した。